日本聖公会には、北海道から沖縄に至る11の教区があり、それぞれの教区を司牧する主教がいます。11名の主教の中から一名の首座主教が選ばれて日本管区を 構成しています。11の教区には主教・司祭・執事の三職位の聖職や伝道師・宣教師・聖職候補生ら約270名の教役者が約300の教会・礼拝堂・伝道所に遣わされ、教会では約3万5千人の信徒が信仰を守っています。

教義として、1930年のランベス会議(全世界聖公会主教会議)において提唱されたランベス四綱領を遵奉しています。

第1:旧約および新約の聖書を受け、これを神の啓示にして救いを得る要道を悉(ことごと)く載せたるものと信ずる。
第2:ニケヤ信経および使徒信経に示されたる信仰の道を公認する。
第3:主イエス・キリストの命じ給うた教理を説き、その自ら立て給うた洗礼および聖餐の2聖奠(せいてん)を行い、且つその訓戒を遵奉する。
第4:使徒時代より継紹したる、主教(エピスコポ)、司祭(プレスブテロ)、執事(デアコノ)の3職位を確守する。

《日本聖公会管区事務所サイトより引用》※漢字ルビは当サイト編集者による。

社会との関わり合い

日本聖公会は社会との関わりを通して、キリストの愛を伝えることを大切にしています。

■聖公会に関係する教育事業、諸事業として、立教大学や桃山学院大学を始めとする11の学校法人が運営する大学・高等学校・中学校・小学校、また、専門学校・国際学校があります。約150の幼稚園、保育園は教会に隣接し、キリストの信仰のもとに運営されています。医療福祉としては聖路加国際病院が代表的で すが、他にも大小合わせ5つの病院があります。

■高齢者福祉事業においては、榛名の新生会や、千葉の九十九里ホーム、和歌山の神愛会などを始めとして、多くの社会福祉法人があります。また、エリザベスサンダースホームや滝野川学園などの児童養護施設、知的障害児(者)施設等もあります。

■在日外国人の支援活動を行っているのが、NPO法人・聖公会生野センターと、名古屋学生青年センターです。自然を通して環境教育・国際協力に取り組む清里のキープ協会も聖公会に関係しています。

また、個々の教会でも、住まいのない人たちへの炊き出しや、近隣の方々をお迎えしての講演会、音楽会等、その地域に根付いた社会活動を行っています。

その他、正義と平和、人権、青年活動、平和憲法、ジェンダー、在日外国人の支援、ハンセン病、パレスチナ、軍事基地、他、様々な諸問題について学び、祈り、活動しています。また海外への働きも大切にしています。大災害が起った国と地域には緊急援助をし、HIV/AID医療活動の支援も継続的に行っています。
《日本聖公会管区事務所サイトより引用》

「聖公会」の信仰

「聖公会(せいこうかい)」は、カンタベリー大主教を精神的指導者とするイングランド国教会から生まれ、世界160ヵ国に広がる36の管区からなるキリスト教会です。信徒は6,500万人。36の管区は教義を共有していますが、それぞれが自治権を有しています。ローマ・カトリックとプロテスタントに大別される西方キリスト教会の中で、「聖公会」は、両者の持つ要素を兼ね備え、その中間に位置する教派であると言われてきました。

聖公会の信仰は18世紀から19世紀にかけて、英国と米国の両聖公会により東アジアへと伝えられました。わが日本には1859年(安政6年)に米国聖公会から2人の宣教師が渡来し、今日の礎を築きました。日本においてキリスト教禁令が廃止された後は英国、カナダ聖公会の宣教師団も伝道に加わり、1887 年(明治20年)に「日本聖公会」が創設されました。
《日本聖公会管区事務所サイトより引用》

イギリス国教会のカンタベリー大主教はイングランドの教会を統一した歴史があり国王の戴冠式を始め、王族の洗礼、結婚式、送葬式を司ります。
イギリス国教会は大英帝国の発展と共に全世界に宣教され、信仰の共同体(アングリカン・コミュニオン:Anglican Communion)を形成しています。
アングリカン・コミュニオンは,10年毎にランベス・パレスに全世界の主教が集まり、カンタベリー大主教のもとでランベス会議を開催します。(2022年がその年でした。)